
インデックスファンド vs アクティブファンド:どっちがいいの?
こんにちは、投資顧問の鈴木です。今日は、投資信託の二大巨頭とも言えるインデックスファンドとアクティブファンドについて、徹底的に比較していきたいと思います。
投資信託を選ぶ際、「インデックスファンドにするべきか、アクティブファンドにするべきか」と悩む方は多いのではないでしょうか。両者には、それぞれ特徴やメリット・デメリットがあり、一概にどちらが良いとは言えません。
私自身、長年にわたって個人投資家の方々に投資信託の選び方をアドバイスしてきました。その経験を踏まえ、インデックスファンドとアクティブファンドの違いを分かりやすく解説していきます。
この記事を読めば、以下のような疑問が解消されるはずです。
- インデックスファンドとアクティブファンドの仕組みの違い
- それぞれのメリットとデメリット
- リターン、リスク、コストの比較
- 自分に合ったファンドの選び方
投資信託は、長期的な資産形成に欠かせない投資手段です。自分に合ったファンドを選ぶことで、効果的に資産を増やすことができます。
それでは、インデックスファンドとアクティブファンドの比較を始めましょう!
目次
インデックスファンドとは?
インデックスファンドの特徴
インデックスファンドとは、株価指数(インデックス)に連動するように運用される投資信託のことです。例えば、日経平均株価に連動するファンドであれば、日経平均株価の上昇率と同じように、ファンドの価値が上昇します。
インデックスファンドの最大の特徴は、「パッシブ運用」である点です。パッシブ運用とは、市場平均に連動するように運用することを指します。つまり、インデックスファンドは、特定の銘柄を選ぶのではなく、市場全体の動きに合わせて運用されるのです。
インデックスファンドのメリット
インデックスファンドには、以下のようなメリットがあります。
- 低コストで運用できる
- 市場平均並みのリターンが期待できる
- 分散投資により、リスクを抑えられる
- 運用の透明性が高い
特に、コストの安さは大きな魅力です。アクティブファンドに比べて、運用コストが低く抑えられるため、長期的には高いリターンを得られる可能性があります。
米国の金融経済学者であるバートン・マルキールは、著書『ウォール街のランダム・ウォーク』の中で、以下のように述べています。
「長期的に見れば、株式市場の平均リターンを上回ることは難しい。インデックスファンドに投資することが、最も賢明な選択だ」
インデックスファンドのデメリット
一方、インデックスファンドにはデメリットもあります。
- 市場平均を上回るリターンは期待できない
- 市場が下落すれば、ファンドの価値も下がる
- 運用会社の裁量が入らない分、融通が利かない
つまり、インデックスファンドは、「平均的な」リターンしか期待できないのです。市場平均を大きく上回る可能性は低いと言えるでしょう。
アクティブファンドとは?
アクティブファンドの特徴
アクティブファンドとは、ファンドマネージャーが積極的に銘柄選択を行い、市場平均を上回るリターンを目指す投資信託のことです。
アクティブファンドの最大の特徴は、「アクティブ運用」である点です。アクティブ運用とは、市場動向を分析し、有望な銘柄を選んで投資することを指します。つまり、アクティブファンドは、ファンドマネージャーの能力に大きく左右される投資信託なのです。
アクティブファンドのメリット
アクティブファンドには、以下のようなメリットがあります。
- 市場平均を上回るリターンが期待できる
- ファンドマネージャーの能力次第で、高いパフォーマンスを発揮できる
- 市場環境に応じて、柔軟な運用ができる
特に、優秀なファンドマネージャーが運用するアクティブファンドは、市場平均を大きく上回る可能性があります。
実際、アクティブファンドの中には、長期的に高いパフォーマンスを残しているものもあります。例えば、野村アセットマネジメントが運用する「野村フィデューシャリー・ジャパン株式ファンド」は、設定来のリターンが市場平均を上回っています。
アクティブファンドのデメリット
ただし、アクティブファンドにはデメリットもあります。
- 運用コストが高い
- ファンドマネージャーの能力に左右される
- 市場平均を下回るリスクもある
特に、運用コストの高さは、長期的なリターンを押し下げる要因になります。また、ファンドマネージャーの能力次第では、市場平均を下回るパフォーマンスに終わる可能性もあるのです。
インデックスファンドとアクティブファンドの比較
それでは、インデックスファンドとアクティブファンドを、具体的に比較していきましょう。
リターンの比較
まず、リターンの比較から見ていきます。
インデックスファンド | アクティブファンド | |
---|---|---|
市場平均との関係 | 市場平均並み | 市場平均を上回る可能性あり |
長期的なリターン | 市場平均並み | ファンドマネージャー次第 |
短期的なリターン | 市場平均並み | ファンドマネージャー次第 |
一般的に、長期的には、インデックスファンドのリターンは市場平均並みになる傾向があります。一方、アクティブファンドは、ファンドマネージャーの能力次第で、市場平均を上回る可能性がありますが、下回るリスクもあります。
JPアセット証券が2022年に行った調査によると、過去10年間(2012年~2021年)の平均リターンは、以下のようになっています。
- インデックスファンド(TOPIXに連動):9.8%
- アクティブファンド(国内株式):10.2%
この調査結果を見ると、アクティブファンドの方が、わずかにリターンが高いことが分かります。ただし、個別のファンドによって、リターンには大きなばらつきがあります。
リスクの比較
次に、リスクの比較を見ていきましょう。
インデックスファンド | アクティブファンド | |
---|---|---|
市場リスク | あり | あり |
個別銘柄リスク | なし | あり |
ファンドマネージャーリスク | なし | あり |
インデックスファンドとアクティブファンドは、どちらも市場リスク(株式市場全体の下落リスク)を負います。ただし、アクティブファンドは、個別銘柄のリスクや、ファンドマネージャーの判断ミスによるリスクも負うことになります。
つまり、アクティブファンドは、インデックスファンドに比べて、リスクが高いと言えるでしょう。
コストの比較
最後に、コストの比較を見ていきます。
インデックスファンド | アクティブファンド | |
---|---|---|
信託報酬 | 低い(0.1%~0.5%程度) | 高い(1%~2%程度) |
売買手数料 | 低い | 高い |
信託財産留保額 | なし | あり(0.3%程度) |
インデックスファンドは、パッシブ運用のため、運用コストが低く抑えられます。一方、アクティブファンドは、銘柄選択や売買が頻繁に行われるため、コストが高くなる傾向にあります。
特に、信託報酬は、長期的なリターンに大きな影響を与えます。例えば、年率2%の信託報酬がかかるファンドに30年間投資した場合、信託報酬だけで元本の45%が失われてしまうのです。
どちらを選ぶべき?
投資目的に合わせた選択
インデックスファンドとアクティブファンドのどちらを選ぶべきかは、投資目的によって異なります。
長期的な資産形成を目指す場合は、インデックスファンドがおすすめです。コストが低く、市場平均並みのリターンが期待できるため、長い時間をかけてコツコツと積み立てることで、着実に資産を増やすことができます。
一方、短期的な値上がり益を狙う場合は、アクティブファンドを選ぶのも一つの手です。優秀なファンドマネージャーが運用するファンドに投資することで、市場平均を上回るリターンを得られる可能性があります。
ただし、アクティブファンドは、リスクが高いことを忘れてはいけません。市場環境や、ファンドマネージャーの能力によっては、大きな損失を被る可能性もあるのです。
リスク許容度に応じた選択
また、自分のリスク許容度に応じて、ファンドを選ぶことも大切です。
リスク許容度が低い人は、インデックスファンドを中心に、安定的な運用を心がけるのが良いでしょう。一方、リスク許容度が高い人は、アクティブファンドにも一定の割合で投資することで、高いリターンを狙うことができます。
ただし、アクティブファンドに投資する場合は、分散投資を忘れないようにしましょう。特定のファンドに集中投資するのではなく、複数のファンドに分散することで、リスクを抑えることができます。
長期投資におすすめの選択肢
長期投資に限って言えば、インデックスファンドがおすすめです。事実、米国の偉大な投資家であるウォーレン・バフェット氏は、以下のようにアドバイスしています。
「長期的に見れば、低コストのインデックスファンドに投資することが、ほとんどの投資家にとって最良の選択肢だ」
日本でも、つみたてNISAを活用することで、非課税でインデックスファンドに投資できます。時間をかけてコツコツと積み立てることが、長期的な資産形成には最も効果的だと言えるでしょう。
まとめ
以上、インデックスファンドとアクティブファンドの特徴や違いについて解説しました。
インデックスファンドは、低コストで市場平均並みのリターンが期待できる一方、アクティブファンドは、優秀なファンドマネージャーによって、市場平均を上回るリターンが狙える可能性があります。
ただし、アクティブファンドは、コストが高く、リスクも高いのが特徴です。
自分に合ったファンドを選ぶためには、以下のポイントを押さえておくことが大切です。
- 投資目的に合わせて選ぶ
- リスク許容度に応じて選ぶ
- 長期投資であれば、インデックスファンドを中心に
投資信託は、長期的な資産形成に欠かせない投資手段です。自分に合ったファンドを選び、時間をかけてコツコツと積み立てることが、着実に資産を増やすための秘訣だと言えるでしょう。
何か質問や不明な点があれば、ぜひ私にご相談ください。皆さんが、自分に合った投資信託を選び、豊かな人生を送れることを願っています。
最終更新日 2025年6月17日 by kasaks