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クサビ式足場についての豆知識

「足場」ってご存じですか。
ふだんはあまり耳にする言葉ではないですよね。
でも、誰でも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
ビルや家屋の工事現場で、建物がジャングルジムみたいなもので囲まれているのを見たことがありませんか。
建築工事において「足場」というのは、作業員が高所で作業をする際の足掛かりとして仮に組み立てる構造物のことで、幾つか種類があるのですが、今回はその中でもクサビ式足場についてお話ししていきます。

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木造家屋等の低層住宅の足場として利用されていた

もともとは、木造家屋等の低層住宅の足場として利用されていたんですね。
こうした住宅は建物の形状が複雑であったり、敷地が狭いことから足場の設置が容易でないため、そうした形状に容易に対応でき、組み替え作業も簡単にできるものとして、クサビ式足場が採用されてきました。
しかし、最近では低層住宅にとどまらず、中層建築物の工事や高層建築物の外壁塗り替えなどにも使用されるようになってきました。
さらに建築物だけでなく、イベントの仮設スタンドや仮設ステージなどにも活用されています。
そういえば見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。
このタイプの足場の構造ですが、一定の間隔に緊結部がある鋼管を支柱として、手摺や筋交等の水平材や斜材等を支柱の緊結部にくさびで緊結して、作業床は床付き布枠となっています。
「緊結」というちょっと聞き慣れない言葉が出てきましたが、部材を留め具等で結合することを意味します。

 

ハンマー一本で簡単に組み立てることができる

部材はすべてユニット化されているので、ハンマー一本で簡単に組み立てることができます。
1979年に国内で初めて開発されたクサビ式足場の商品名が「ビケ足場」だったことから、ビケ足場と呼ばれることもあります。
大体、どのような足場なのか全体像がおわかりになったのではないでしょうか。
次に、主要部材について見てみましょう。
基本的な部材は、緊結部付支柱、緊結部付布材、緊結部付腕木材、緊結部付ブラケット、床付き布枠、ねじ管式ジャッキ型ベース金具、壁つなぎ、くさび緊結式足場用斜材または大筋かいとなります。
緊結方式についてですが、大きく2つに分けられます。
まず、ブリッジ型緊結方式です。
これは支柱に溶接取付けしたポケット金具またはフランジ金具に、布材等の端にコの字形に溶接加工した緊結部をはめ込こんで、ハンマーでクサビを打ち込んで連結するタイプです。
次にポケット型緊結方式についてです。
クサビ付き金具が布材やブラケットの部材に直接的に溶接加工されていて、支柱に溶接取付けしたポケットの金具にクサビ付き金具をハンマーで打ち込んで連結するタイプです。

 

クサビ式足場は主として3種類のタイプに分けられる

クサビ式足場は主として3種類のタイプに分けられます。
Aタイプ、Bタイプ、Cタイプとして、一つ一つ見ていきたいと思います。

 

キャッチャータイプ

まずAタイプですが、キャッチャータイプと言われるものです。
製造会社が多く、国内で最も流通量が多いクサビ式足場です。
ホームセンター等でも販売されている場合があります。
最大の特徴は、支柱に備えられているクサビポケット間の有効寸法が450㎜であるということで、これによって1層のスパンが1800㎜になります。
このタイプは、施工解体が早く、国内の普及率が高いために互換性のある商品が多数販売されていて、価格と納期の両面から入手しやすいということが利点になっています。
特筆すべきデメリットのようなものも特にありません。

 

ビケタイプ

次にBタイプのビケタイプです。
生産当時、このタイプは低層足場としての使用を重視して作られました。
そうしたことから、踏板やブラケットにはAタイプにはないクサビポケットが付いていて、揺れが少ない安全な足場が組み立てられます。
クサビポケットの有効寸法も475㎜と25㎜という感じで長めに取られているので、1層のスパンは1900㎜となって、Aタイプと比較すると100㎜大きくなります。
デメリットは、揺れが少ない安全な足場を組み立てるため、Aタイプでは不要だったクサビの打ち込みと抜きの作業が多くなることです。
価格面でもAタイプより割高です。

 

三共タイプ

最後のCタイプですが、株式会社三共の商品であることから三共タイプと呼ばれています。
AタイプとBタイプと著しく異なり、例えば手すりとブラケットのクサビは鉄板の形状になっています。
メリットは、軽量で施工が早いということ、材料が軽いこと、扱いやすいという点が挙げられます。
デメリットは、クサビが板状になっているため、Aタイプ、Bタイプと比較して完成時の揺れが大きい点です。
さらに入手しにくく価格も高いという点です。

 

まとめ

最後に、クサビ式足場の特徴と利点についてまとめてみたいと思います。
何といっても最大の特徴また利点は、ハンマー一本で組み立てられて、解体が可能ということです。
また、組み立てが簡単なので、他の足場に比べて作業時間が短縮でき、部材を小さく結束できるので、輸送費が抑えられるというのも魅力です。
いかがでしたでしょうか。
今度、街を歩いていて足場を見かけたら、ぜひよく観察してみてください。
 

最終更新日 2025年6月17日 by kasaks

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