アウトドアへの興味が出てきた姉の話
これはつい最近の話です。
ですがその話をする前に、私の姉たちについて語らなくてはなりません。
私たちは三姉妹で、私は末の妹として姉たちと生活してきました。
その姉たちは3つほど年が離れており、二人の仲は正直に言って悪いほうです。
その理由はそれぞれにあります。
次女は控えめに言っても性格が悪く、自分が面白くなければ他人に意地悪しなければ気が済まない人間です。
おまけに自分が欲しい物は手段を問わずに入手する癖があり、頻繁に両親に金銭を要求しています。
両親も断れば良いのですが、先述した性格は家族であっても当てはまるので、それを避けるために両親は要求に応えている状態です。
ここまで簡単に次女について語ると、人生の破綻が目の前に来ているように感じますが実は次女は小心者です。
その証拠に他人の目をいつも気にし、第三者の目がある場では精一杯常識的な行動をしようと心がけています。
なので、犯罪に走る行動は絶対にしないと断言できるのです。
そういった点では長女も同様です。
しかし長女の場合は性格として断言できます。
その理由は簡単で、長女は正義感が強い性格だからです。
理不尽なことがあったら職場の上司を問い詰めるのは当たり前、将来は人助けできるようなビジネスをしたいと呟くのが口癖な姉は同時に自由な振舞いを好むところがあります。
そのため次女とは衝突が絶えず、長女が京都に引っ越すまでの間、二人は互いの顔を合わせない日々が続きました。
こうして家には私と次女が残りましたが、この次女は色々と問題を重ね、ついには地元で働ける場所が見つからなくなったようで県境近い街に引っ越すことになりました。
しかしこれで終わらせないのが、私の姉です。
姉はこの後、ある行動を取るようになり、私と両親を困らせます。
そして私たちは姉の行動を落ち着かせるために色々しますが、その時に与えたアイテムのひとつとしてノルディスクのテントがありました。
これが私とノルディスクのテントの出会いです。
しかし私は「これきりだろうな」と考えていました。
アウトドアを好む趣味はなく、またそれを始めるための資金もないからです。
しかし自分の考えとは裏腹に、その後、再びノルディスクのテントと関わることになりました。
それは残暑が厳しかった一日が終わった夜のことでした。
のんびりと夜の時間を過ごしていると、突如、私の携帯電話が震え始めました。
画面を確かめると、そこには長女の名前があったのですかさず私はボタンを押して「もしもし」と尋ねました。
電話の主は当然、長女でした。
この成り行きは私にとって不思議なものではありません。
長女は寂しがり屋なところがあり、気の置けない話し相手がいなければストレスを溜めてしまう性格を持っています。
しかしここが難しいところでその「気の置けない相手」というものは要するに「自分の話を聞いてくれる相手」であることを意味しているのです。
そのため両親や私といった家族に構ってもらいたくて引っ越しの直後から電話をかけるようになりました。
そんな長女の電話は携帯電話の電池が切れるほどの長電話です。
私は断わってから携帯電話を切り、家の電話から姉の電話へかけ直しました。
それはすぐに終わり、互いに挨拶をしたところで私は「今日も雑談が始まるな」と覚悟しました。
けれど長女は神妙な声で「ちょっと相談したいことがあるんだけど」と言って、話を切り出してきたのです。
「珍しい」と目を丸くしながらも、私は了承して長女の話に耳を傾けました。
しかし長女の話は深刻なものではありませんでした。
長女が個人的な趣味として嗜んでいる日本芸能の先生がアウトドアに熱中しており、長女にもアウトドアをすすめられて困っているという内容だったのです。
要するに相談と愚痴でした。
私はやれやれと内心で頭を振りながら、アドバイスをしました。
相手の立場が上である以上、その話を振られたら嫌でも付き合わなくちゃいけない。
けれど嫌な気持ちを軽くする方法はある。
その一つとしてアウトドアの最新の情報を持ち出すのはどうだろうか。
そうしたら長女も先生から見直されて気分が良いのではないか。
この時私は話しながらノルディスクのテントを思い出ました。
引用:http://yh-camping.com/?mode=cate&cbid=1064271&csid=0
そして実例の台詞を喋りながら説明をしたのです。
その効果はそれなりにあり、長女は関心を寄せたようでした。
その時はそれで終わりましたが数日後、再び長女から電話がありました。
「あれから先生とどうなった」と私が問いかけると、長女は嬉しそうに「先生と楽しく話せた」と報告してくれました。
長女としてもノルディスクのテントは新鮮だったらしく、「欲しくなった」と言い、「アウトドアへの興味が出てきたかも」と言い始めました。
私はまた「やれやれ」と内心だけで呟きながら、不思議さを感じていました。
まさか縁がないだろうと決め込んでいたノルディスクのテントを長女に紹介する日が来るとは思ってもなかったからです。
そんな私の心を知らない長女は楽しそうに話を始め、私は耳をすませることにしました。
最終更新日 2025年6月17日 by kasaks